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世界最高峰のレースのひとつとして知られる凱旋門賞。
日本馬が挑戦するたびに大きな注目を集めますが、2026年は例年以上に「逃げ」という脚質が気になっている方も多いのではないでしょうか。
その理由が、メイショウタバルの出走です。
メイショウタバルといえば、自分のリズムで前へ行ったときに強さを発揮してきた馬。
そこで気になるのが、「そもそも凱旋門賞は逃げ切れるレースなの?」というところですよね。
過去を振り返ると、凱旋門賞を逃げ切った馬は実際にいます。
さらに日本馬では、1999年のエルコンドルパサーが逃げる競馬で優勝まであと半馬身というところまで迫りました。
一方、2022年にはタイトルホルダーが逃げて11着。
同じ「逃げ」でも結果は大きく異なっています。
そこでこの記事では、凱旋門賞は逃げ切れるのか、過去に逃げ・先行策で好走した馬や日本馬の成績、ロンシャン2400mと脚質の関係について詳しく紹介します。
【この記事で分かること】
- 凱旋門賞は逃げ切れるレースなのか
- 逃げ切って凱旋門賞を制した馬
- エルコンドルパサーが逃げて2着に入った1999年
- タイトルホルダーが逃げた2022年
- ロンシャン2400mで逃げる難しさ
- 逃げ・先行・差しと馬場状態の関係
- 2026年メイショウタバルで注目したいポイント
※この記事は2026年9月20日時点の情報および過去のレース結果をもとに作成しています。
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凱旋門賞は逃げ切れる?過去には逃げ切り勝ちもある
まず結論からいうと、凱旋門賞を逃げ切ることは可能です。
実際に、逃げる競馬でそのまま押し切った馬がいます。
代表的なのが1996年のエリシオです。
ただし、近年の凱旋門賞を見ると、逃げ馬がそのまま押し切るケースは決して多くありません。
そのため、
「逃げ馬だから凱旋門賞では不利」
あるいは、
「前へ行けば凱旋門賞でも有利」
と単純に考えるのは難しいでしょう。
凱旋門賞では、馬場状態やペース、枠順、他馬との位置関係などによって展開が大きく変わります。
特にパリロンシャン競馬場の2400mは、日本の競馬場とはコース形態が大きく異なるため、「どの位置を走るか」だけでなく「どれだけ余力を残して直線へ向かえるか」が重要になってきます。
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1996年エリシオは凱旋門賞を逃げ切って5馬身差の圧勝
凱旋門賞の逃げ馬を語るうえで外せないのが、1996年のエリシオです。
エリシオは3歳で凱旋門賞へ出走。
O・ペリエ騎手はスタート後から積極的に前へ行き、先頭でレースを進めました。
そして直線に入っても勢いは衰えず、後続との差をさらに広げます。
結果はなんと、2着ピルサドスキーに5馬身差をつける圧勝。
【1996年凱旋門賞】
- 1着:エリシオ
- 騎手:O・ペリエ
- 年齢:3歳
- 戦法:逃げ
- 2着との差:5馬身
凱旋門賞でも、能力のある馬が自分のリズムで走ることができれば、逃げ切ることは不可能ではないことを示したレースです。
しかも5馬身差ですから、単に展開に恵まれてギリギリ残ったという勝ち方ではありません。
「凱旋門賞は逃げ馬では勝てない」というイメージを覆す代表的なレースといえるでしょう。
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エルコンドルパサーは1999年凱旋門賞を逃げて2着
日本の競馬ファンにとって、「凱旋門賞」と「逃げ」という言葉から真っ先に思い浮かぶのは、やはりエルコンドルパサーではないでしょうか。
1999年の凱旋門賞。
この日のロンシャン競馬場は不良馬場でした。
蛯名正義騎手とエルコンドルパサーは、スタート後から先頭に立ってレースを進めます。
そしてそのまま先頭で最後の直線へ。
後続を振り切って日本馬初の凱旋門賞制覇かと思われましたが、最後に追い込んできたモンジューにかわされました。
それでも着差はわずか1/2馬身。
【1999年凱旋門賞】
- 1着:モンジュー
- 2着:エルコンドルパサー
- 騎手:蛯名正義
- 戦法:逃げ
- 着差:1/2馬身
- 馬場:不良
結果こそ2着でしたが、逃げる競馬で世界最高峰のレースをあと一歩まで追い詰めたことに変わりはありません。
日本馬が凱旋門賞で前へ行く競馬を考えるうえで、今でも重要な一戦ですね。
エルコンドルパサーの2着は、現在でも日本調教馬による凱旋門賞最高着順の一つです。
エルコンドルパサーだけでなく、ナカヤマフェスタやオルフェーヴルなど、日本馬の歴代成績についてはこちらの記事で一覧にしています。
→凱旋門賞の日本馬歴代成績一覧!最高着順や2着になった馬を紹介
エルコンドルパサーは長期滞在で凱旋門賞へ
ここでもうひとつ注目したいのが、エルコンドルパサーの遠征方法です。
エルコンドルパサーは凱旋門賞だけを走るためにフランスへ渡ったわけではありません。
長期間フランスに滞在し、イスパーン賞、サンクルー大賞、フォワ賞などを経験してから凱旋門賞へ向かいました。
サンクルー大賞ではG1制覇、フォワ賞も勝利。
フランスの環境や馬場を経験したうえで、本番を迎えています。
単に「逃げたから2着に入れた」というより、馬の能力や状態、現地への適応など複数の要素が重なった結果と考えた方がよいでしょう。
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2022年タイトルホルダーは逃げて11着
一方、逃げる競馬の難しさを感じさせたのが2022年のタイトルホルダーです。
この年のタイトルホルダーは天皇賞(春)、宝塚記念を連勝して凱旋門賞へ挑戦。
日本国内でも大きな期待を集めていました。
本番では横山和生騎手が積極的にハナへ。
タイトルホルダーらしい形でレースを進め、最初の1000mを63秒96で通過しました。
しかし、この年も馬場はかなり重く、最後の直線では後続馬にかわされてしまいます。
最終的な着順は11着でした。
【2022年タイトルホルダー】
- 騎手:横山和生
- 戦法:逃げ
- 1000m通過:63秒96
- 着順:11着
- 優勝馬:アルピニスタ
興味深いのは、1000m63秒96という数字だけを見ると、日本の芝2400mでイメージするような「飛ばしすぎた逃げ」ではないことです。
それでも最後の3ハロンには42秒73を要しました。
この数字からも、当時のロンシャンの馬場がどれだけタフだったのかが分かります。
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凱旋門賞では逃げ馬より差し馬が有利?
では、凱旋門賞では逃げるより差す方が有利なのでしょうか。
過去のレースを見ても、後方から末脚を伸ばして勝つ馬もいれば、好位から抜け出す馬もいます。
そのため、「差し馬だから有利」「逃げ馬だから不利」と脚質だけで決めつけるのは難しいでしょう。
例えば近年の勝ち馬を見ても、直線まで脚をためて差してくるタイプだけではありません。
2020年にはペルシアンキングが逃げて3着。
勝ったソットサスも道中は前方のポジションにつけ、直線でペルシアンキングをかわして優勝しています。
つまり凱旋門賞では、後方一気だけが正解というわけではありません。
凱旋門賞で重要なのは「脚質」だけではなく、その年の馬場やペースに合わせて、どの位置で余力を残せるかという点です。
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なぜロンシャン2400mは逃げ切るのが難しい?
凱旋門賞の舞台となるパリロンシャン競馬場の芝2400mには、日本の競馬場とは異なる特徴があります。
単純な「直線の長い2400m」と考えてしまうと、実際のコースとはかなりイメージが違います。
向正面には長い上り坂がある
スタートしてしばらくすると、向正面にかけて長い上りが待っています。
逃げ馬の場合、前半から力んでしまうと、この上りで余計なスタミナを使ってしまう可能性があります。
2400mという距離だけでなく、アップダウンを含めて最後まで走り切るスタミナが必要です。
下り坂からフォルスストレートへ
上りを越えると、今度は下りながらレースが進みます。
そしてロンシャン名物のフォルスストレート(偽りの直線)へ。
一見すると直線に見えるため、ここからペースが上がりやすくなりますが、本当の直線はまだ先です。
逃げ馬にとっては、ここで後続にプレッシャーをかけられても脚を使い切らないことが重要になります。
最後に約533mの直線が待っている
フォルスストレートを抜けたあとに、本当の最後の直線が待っています。
その長さは約533m。
逃げ馬はここまで先頭あるいは前方で走りながら、最後の長い直線でも後続の追撃をしのがなければなりません。
1999年のエルコンドルパサーも最後まで粘りましたが、モンジューの末脚に屈しました。
凱旋門賞を逃げ切る難しさが分かるポイントのひとつですね。
このように、凱旋門賞では単純な直線の長さだけでなく、2400m全体の起伏やフォルスストレートを含めたコース形態を考える必要があります。
パリロンシャン2400mの高低差やコースの特徴については、こちらの記事で詳しくまとめています。
→凱旋門賞の距離は何メートル?ロンシャン2400mのコース特徴を解説
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凱旋門賞は馬場状態によって脚質への影響も変わる
もうひとつ無視できないのが馬場状態です。
凱旋門賞は10月のフランスで開催されるため、雨の影響を受ける年も珍しくありません。
1999年のエルコンドルパサーは不良馬場のなか逃げて2着。
2022年のタイトルホルダーも重い馬場を逃げましたが11着でした。
同じ重い馬場、同じ逃げという条件でも結果はまったく違います。
「重馬場なら逃げ有利」と単純に考えないことがポイントです。
馬自身の適性、ペース、スタミナ、斤量、枠順なども含めて考える必要があります。
凱旋門賞では馬場状態が年によって大きく異なるため、過去の脚質だけをそのまま翌年に当てはめるのは難しいでしょう。
また、逃げ馬の成績を見るときには、展開だけでなく当日の馬場状態もあわせて考えたいところです。
パリロンシャンの芝が日本とどう違うのか、雨によってタフな馬場になった場合の特徴についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→凱旋門賞の馬場は日本と何が違う?ロンシャンの芝や日本馬への影響を解説
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2026年はメイショウタバルの脚質にも注目
そして2026年の凱旋門賞で日本の競馬ファンから注目を集めているのが、メイショウタバルです。
2026年9月20日時点では、武豊騎手とのコンビで10月4日の凱旋門賞へ出走する予定となっています。
メイショウタバルは前へ行く競馬で実績を残してきた馬です。
ただし、必ずしも「何が何でも逃げる」タイプと決めつけることはできません。
2026年宝塚記念では2番手から優勝
そのことがよく分かるのが2026年の宝塚記念です。
このレースではコスモキュランダが先頭に立ち、メイショウタバルは離れた2番手からレースを進めました。
そして直線で抜け出して優勝。
2025年に続く宝塚記念連覇を達成しています。
つまりメイショウタバルは、先頭に立つ形だけでなく、前の馬を見ながら2番手で運ぶ競馬でもG1を勝っていることになります。
2026年大阪杯ではハイペースで逃げて2着
一方、2026年の大阪杯ではスタートから先頭へ。
1000mを58秒1で通過するハイペースで逃げながら、直線でも粘って2着に入りました。
勝ったクロワデュノールにはかわされたものの、メイショウタバルらしい持続力を見せた一戦でした。
【2026年メイショウタバルの主なG1】
- 大阪杯:逃げて2着
- 宝塚記念:2番手から1着
この2戦を見るだけでも、メイショウタバルを単純に「逃げなければダメな馬」と考える必要はなさそうです。
凱旋門賞本番でどの位置を取るのかは、枠順やスタート、他馬の出方などによっても変わるでしょう。
そのため現時点では、「逃げるのか、それとも好位から運ぶのか」も2026年凱旋門賞の注目ポイントのひとつとして見ておきたいですね。
メイショウタバルだけでなく、2026年の日本馬や海外有力馬、前哨戦の結果については、こちらの記事でまとめています。
→凱旋門賞2026の出走予定馬は?日本馬・海外有力馬と注目馬を徹底解説
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エルコンドルパサーとメイショウタバルに共通する「前へ行く競馬」
2026年のメイショウタバルを見ていると、1999年のエルコンドルパサーを思い出す競馬ファンもいるかもしれません。
もちろん、馬のタイプや時代、遠征過程などはまったく異なります。
そのため、単純に両馬を比較することはできません。
ただ、日本馬が凱旋門賞で前へ行く競馬をする可能性があるという点では、1999年のレースは非常に興味深い過去例です。
エルコンドルパサーは不良馬場で逃げ、モンジューに半馬身差まで迫りました。
そして1996年にはエリシオが逃げ切って5馬身差で圧勝しています。
過去の結果から少なくとも分かるのは、「逃げだから凱旋門賞では勝てない」というわけではないということです。
重要なのは、当日の馬場や展開のなかで、その馬が最も力を発揮できる形に持ち込めるかどうかでしょう。
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まとめ
今回は、凱旋門賞は逃げ切れるのか、過去に逃げ・先行策で好走した馬やロンシャン2400mと脚質の関係について紹介しました。
【今回のポイント】
- 凱旋門賞を逃げ切った馬は実際にいる
- 1996年エリシオは逃げて5馬身差で優勝
- 1999年エルコンドルパサーは不良馬場を逃げて2着
- モンジューとの差はわずか1/2馬身
- 2022年タイトルホルダーは逃げて11着
- 2020年ペルシアンキングは逃げて3着
- ロンシャン2400mでは上り・下り・フォルスストレートを経て最後の直線を迎える
- 逃げ・差しだけでなく馬場やペースなども重要
- 2026年メイショウタバルは大阪杯を逃げて2着
- 宝塚記念では2番手から優勝しており、逃げ以外の形でも結果を残している
凱旋門賞は、決して「逃げ馬では勝てないレース」ではありません。
1996年のエリシオは逃げ切り、1999年のエルコンドルパサーも逃げてあと半馬身まで迫っています。
一方で、2022年のタイトルホルダーのように、自分の形で逃げてもロンシャンの重い馬場に苦しんだケースもあります。
結局のところ重要なのは脚質そのものより、その年の馬場や展開に合わせて馬の能力を最大限に引き出せるかどうかなのかもしれません。
2026年はメイショウタバルと武豊騎手がどのような位置からレースを進めるのか。
スタート直後から目が離せない凱旋門賞になりそうですね。
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