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日本競馬にとって、長年の悲願となっている「凱旋門賞制覇」。
エルコンドルパサー、ディープインパクト、オルフェーヴルをはじめ、日本を代表する名馬たちがフランスへ渡ってきました。
ところが、これまで日本調教馬は凱旋門賞を一度も優勝していません。
「日本馬は世界各地のG1で活躍しているのに、なぜ凱旋門賞では勝てないの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、単純に「日本馬の能力が足りない」と片付けられる話ではありません。
実際、エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルは2着まで迫っています。
それでも最後の一線を越えられていない背景を考えるうえでは、日本とは異なる馬場やコース、斤量、位置取りや折り合い、海外遠征への対応など、さまざまな要素に注目する必要があります。
この記事では、凱旋門賞で日本馬が勝てない理由として考えられるポイント、日本馬の最高着順、あと一歩まで迫った名馬たちの挑戦を振り返ります。
【この記事で分かること】
- 日本馬は凱旋門賞を勝ったことがあるのか
- 日本馬の凱旋門賞最高着順
- 日本馬が凱旋門賞で苦戦する要因として考えられること
- ロンシャンと日本の競馬場の違い
- 凱旋門賞の斤量差
- 過去に2着まで迫った日本馬
- 2026年に挑戦を予定している日本馬
※この記事は2026年9月8日時点の情報をもとに作成しています。
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日本馬は凱旋門賞を勝ったことがある?
まず結論からいうと、日本調教馬はまだ凱旋門賞を優勝したことがありません。
日本馬による最初の挑戦は、1969年のスピードシンボリでした。
それから半世紀以上にわたって、日本馬は何度も世界最高峰のレースへ挑戦してきました。
近年では日本馬がドバイ、香港、サウジアラビア、アメリカなど世界各地の大レースで活躍することも珍しくありません。
それだけに、「そろそろ凱旋門賞も勝てるのでは?」と期待してしまいますよね。
しかし、凱旋門賞だけは今も日本競馬にとって非常に高い壁として残っています。
2025年にもクロワデュノール、ビザンチンドリーム、アロヒアリイの3頭が出走しましたが、最先着はビザンチンドリームの5着でした。
ただし、過去には優勝まで本当にあと一歩というところまで迫った日本馬もいます。
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凱旋門賞における日本馬の最高着順は2着
日本馬の凱旋門賞における最高着順は2着です。
しかも、これまでに3頭が2着を経験しています。
【凱旋門賞で2着になった日本馬】
- 1999年:エルコンドルパサー
- 2010年:ナカヤマフェスタ
- 2012年:オルフェーヴル
- 2013年:オルフェーヴル
オルフェーヴルに至っては2年連続2着。
つまり、日本馬に凱旋門賞を勝つだけの可能性がまったくなかったわけではありません。
むしろ過去には、本当にあと一歩というところまで来ています。
だからこそ、「なぜまだ勝てていないのか?」が気になりますよね。
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凱旋門賞で日本馬が勝てない理由は?
凱旋門賞で日本馬が勝てない理由については、長年さまざまな意見があります。
ただし、最初に押さえておきたいのは、特定の一つの要素だけを「日本馬が勝てない原因」と断定することは難しいという点です。
過去のレースや関係者のコメントを見ると、次のような複数の要素への対応が求められるレースだと考えられます。
【凱旋門賞で注目したいポイント】
- 日本とは異なる芝・馬場への適性
- パリロンシャン芝2400mへの適性
- 性齢による斤量差
- 道中の位置取りや折り合い
- 海外遠征・現地環境への対応
- 枠順や当日の天候・馬場状態
- 世界トップクラスの馬との競争
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由① 日本とは異なる馬場への対応が求められる
凱旋門賞で日本馬が苦戦する要因として、よく挙げられるのが「馬場への適性」です。
日本の芝競馬では、良馬場なら速い時計が出るレースも多く、スピードや瞬発力が大きな武器になります。
一方、凱旋門賞が行われるパリロンシャンでは、天候によって日本とはかなり異なる馬場状態になることがあります。
特に雨によって馬場が悪化すれば、スピードだけではなく、力の必要な芝を2400m走り切る能力も求められます。
実際、2025年の凱旋門賞は重馬場で行われました。
16着だったアロヒアリイについて、C.ルメール騎手はレース後、走りにくい馬場で徐々に力を失い、ペースが上がったところで加速できなかったという趣旨のコメントをしています。
一方、田中博康調教師は馬場だけを原因とするのではなく、ロンシャンの2400mを走り切るためのフィジカル面についても課題を挙げました。
「欧州の芝だから日本馬が勝てない」と単純には言えません。
馬場への適性だけでなく、その条件で2400mを走り切り、最後まで能力を発揮できる総合力が重要だと考えられます。
この点は、日本馬の凱旋門賞挑戦を考えるうえで大切なポイントではないでしょうか。
理由② パリロンシャン2400mへの適性も重要
「日本ダービーやジャパンカップも2400mだから、距離は同じでは?」と思いますよね。
しかし、同じ2400mでも条件まで同じではありません。
凱旋門賞はパリロンシャン競馬場の芝2400mで行われます。
日本の競馬場とは芝や路盤、コース形態などが異なるため、日本の2400m戦で高い能力を発揮していることが、そのままロンシャンでの適性を保証するわけではありません。
さらに、凱旋門賞当日の馬場状態も毎年同じではありません。
2025年の凱旋門賞は重馬場で、勝ち時計は2分29秒17でした。
日本の2400m戦と単純に時計を比較することはできませんが、求められる適性が異なることは意識しておきたいところです。
「2400mを走れるか」だけではなく、「その年のロンシャン2400mに対応できるか」が重要になりそうですね。
理由③ 凱旋門賞は斤量差にも注目
凱旋門賞を考えるうえで、もう一つ注目したいのが斤量です。
凱旋門賞は3歳以上の牡馬・牝馬が出走できますが、性齢によって負担重量が異なります。
2025年の凱旋門賞では、実際に次の斤量で出走していました。
| 性齢 | 2025年の負担重量 |
|---|---|
| 4歳以上牡馬 | 59.5kg |
| 4歳以上牝馬 | 58kg |
| 3歳牡馬 | 56.5kg |
| 3歳牝馬 | 55kg |
2025年は3歳牡馬のダリズが56.5kgで優勝し、2着も55kgの3歳牝馬ミニーホークでした。
4歳以上牡馬の59.5kgと比較すると、3歳牡馬は3kg軽いことになります。
もちろん、これだけを理由に「3歳馬が有利」「斤量が軽ければ勝てる」と断定することはできません。
馬自身の能力、馬場適性、展開、枠順など、さまざまな条件が結果に影響します。
それでも、性齢による斤量差は凱旋門賞を考えるうえで見逃せない条件の一つです。
このテーマについては、別記事で「凱旋門賞はなぜ3歳馬が有利と言われるのか?」として詳しく掘り下げる予定です。
理由④ 位置取りや折り合いへの対応も重要
馬場への適性だけでなく、道中の位置取りや折り合い、レース展開への対応も重要になります。
これは2025年のクロワデュノールのレースからも考えさせられる部分です。
クロワデュノールは17番ゲートからのスタートとなりました。
レース後、斉藤崇史調教師は、内へ入れられず前へ出していったことで馬が力んでしまい、難しい競馬になったという趣旨のコメントをしています。
北村友一騎手も、馬の後ろでリラックスさせる形を作ることができなかった点について触れています。
一つのレースだけで「外枠だから日本馬は勝てない」などと判断することはできません。
しかし、凱旋門賞のような大舞台では、道中で余計な力を使わず、能力を最後まで温存できるかも重要なポイントになりそうです。
馬場適性だけで結果が決まるわけではありません。
枠順、位置取り、折り合い、展開などが組み合わさり、持っている能力をどこまで発揮できるかが変わります。
理由⑤ 海外遠征で能力を発揮できる状態に整えることも重要
日本馬が凱旋門賞へ挑戦する場合、フランスへの長距離輸送を経験することになります。
現地では調整環境や気候なども日本とは異なります。
ただし、海外遠征そのものが日本馬が凱旋門賞を勝てない原因だと断定することはできません。
重要なのは、そうした環境の変化に対応しながら、本番で能力を十分に発揮できる状態へ整えられるかという点でしょう。
過去の挑戦で参考になるのが、1999年のエルコンドルパサーです。
エルコンドルパサーはフランスを拠点にして欧州のレースを経験し、サンクルー大賞を優勝。
フォワ賞も制してから凱旋門賞へ向かいました。
本番ではモンジューとの激しい争いとなり、2着。
長期滞在すれば必ず成功するというわけではありませんが、現地で実戦を経験しながら本番へ向かった好走例として興味深いところです。
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日本馬で凱旋門賞制覇に最も近づいた馬は?
ここからは、「勝てなかった」という結果だけではなく、優勝まであと一歩に迫った日本馬を振り返ってみましょう。
エルコンドルパサー|1999年2着
日本馬の凱旋門賞挑戦を語るうえで欠かせないのがエルコンドルパサーです。
1999年はフランスを拠点に競走生活を送り、サンクルー大賞とフォワ賞を優勝。
凱旋門賞では先行して粘り込みを図りましたが、最後はモンジューに交わされて2着となりました。
それでも、世界最高峰の舞台で優勝争いを演じたことは、日本競馬史に残る挑戦の一つといえるでしょう。
ナカヤマフェスタ|2010年2着
2010年にはナカヤマフェスタが大健闘しました。
同年の宝塚記念を制してフランスへ遠征。
凱旋門賞ではワークフォースとの優勝争いとなり、2着に入りました。
エルコンドルパサーとは異なるタイプの日本馬が再び2着まで迫ったことで、日本馬にも凱旋門賞制覇の可能性があることを感じさせる結果となりました。
オルフェーヴル|2012年・2013年と2年連続2着
そして、日本の競馬ファンにとって特に印象深いのがオルフェーヴルです。
2012年は直線で先頭に立ち、優勝まであと一歩というところまで迫りました。
しかし最後にソレミアに交わされて2着。
翌2013年にも再び挑戦しましたが、トレヴに敗れて2着となりました。
同じ日本馬が2年連続で凱旋門賞2着。
この実績を考えても、日本馬による凱旋門賞制覇がまったく手の届かない目標とはいえないでしょう。
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近年の日本馬は凱旋門賞でどこまで走っている?
オルフェーヴル以降も、日本調教馬による挑戦は続いています。
2018年以降について、その年の日本調教馬の最先着をまとめました。
| 年 | 日本調教馬の最先着 | 着順 |
|---|---|---|
| 2018年 | クリンチャー | 17着 |
| 2019年 | キセキ | 7着 |
| 2020年 | ディアドラ | 8着 |
| 2021年 | クロノジェネシス | 7着 |
| 2022年 | タイトルホルダー | 11着 |
| 2023年 | スルーセブンシーズ | 4着 |
| 2024年 | シンエンペラー | 12着 |
| 2025年 | ビザンチンドリーム | 5着 |
近年では2023年のスルーセブンシーズ4着が目立ちます。
そして2025年にはビザンチンドリームが5着に入りました。
こうした結果を見ても、「日本馬だからロンシャンでは通用しない」と決めつけることはできません。
その年の馬場や展開などの条件と適性がかみ合い、持っている能力を十分に発揮できるか。
凱旋門賞を考えるうえでは、こうした視点も重要ではないでしょうか。
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凱旋門賞は3歳馬を狙った方がいい?
日本馬の凱旋門賞制覇を考えるとき、よく話題になるのが3歳での挑戦です。
先ほど紹介したように、凱旋門賞では3歳馬が古馬より軽い斤量で出走できます。
2025年も3歳牡馬ダリズが優勝し、3歳牝馬ミニーホークが2着となりました。
そのため、日本馬についても3歳時から凱旋門賞を大目標としてローテーションを組むという考え方は興味深いところです。
ただし、3歳馬であれば必ず有利になるわけではありません。
斤量だけではなく、馬自身の成長度、ロンシャンへの適性、遠征への対応なども考える必要があります。
「3歳だから勝ちやすい」と単純に考えるのではなく、斤量面で古馬より有利な条件が設定されていると理解しておくのがよさそうです。
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凱旋門賞を日本馬が勝つために必要なことは?
では、日本馬が凱旋門賞を勝つためには何が必要なのでしょうか。
もちろん、明確な正解があるわけではありません。
それでも過去の好走馬や近年の挑戦を見ると、注目したいポイントはいくつかあります。
【凱旋門賞挑戦で注目したいポイント】
- ロンシャンの芝・馬場への適性
- タフな2400mへの対応力
- 道中で折り合える操縦性
- 位置取りや展開への対応
- 現地で能力を発揮できる状態に整えること
- 前哨戦を含めたローテーション
- 性齢による斤量差
- 枠順や当日の天候・馬場状態
個人的には、「日本で最も強い馬を連れていけば勝てる」と単純には考えにくいように感じます。
日本のG1で求められる能力と、その年の凱旋門賞で求められる能力が完全に一致するとは限らないからです。
国内での実績はもちろん重要ですが、それと同じくらい「ロンシャンの2400mで能力を発揮できるタイプなのか」という適性も注目したいですね。
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2026年の日本馬は凱旋門賞の壁を越えられる?
そして気になるのが2026年の凱旋門賞です。
2026年の凱旋門賞は10月4日(日)、フランスのパリロンシャン競馬場・芝2400mで行われます。
2026年9月8日時点では、JRAがアドマイヤテラとメイショウタバルを凱旋門賞に出走を予定している日本馬として案内しています。
今年こそ日本馬による悲願の初制覇となるのか、楽しみですね。
ただし、この記事で見てきた通り、凱旋門賞は日本国内での実績だけでは判断しにくいレースです。
本番へ向けてチェックしたいのは、現地での状態、馬場、枠順、当日の天候、そして各馬がロンシャンでどのような競馬を見せるのか。
条件が明らかになるにつれて、2026年の日本馬にとってどのようなレースになりそうなのかも見えてきそうです。
【関連記事】
2026年に出走を予定している日本馬や海外の有力馬については、「凱旋門賞2026の出走予定馬は?日本馬・海外有力馬と注目馬を徹底解説」で詳しく紹介しています。
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まとめ
今回は、凱旋門賞で日本馬が勝てない理由として考えられるポイントや最高着順、過去の挑戦について紹介しました。
日本馬は1969年のスピードシンボリ以来、半世紀以上にわたって凱旋門賞へ挑戦してきましたが、まだ優勝には届いていません。
しかし、エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルが2着まで迫っています。
さらに近年では、2023年にスルーセブンシーズが4着、2025年にはビザンチンドリームが5着に入りました。
つまり、「日本馬だから勝てない」という単純な話ではありません。
馬場、コース、斤量、位置取り、折り合い、海外遠征への対応など、さまざまな条件のなかで能力を発揮することが求められるのが凱旋門賞の難しさではないでしょうか。
そして重要なのは、日本での強さだけを見るのではなく、「その馬がロンシャンの2400mにどれだけ適しているのか」という視点なのかもしれません。
何度も「あと一歩」まで迫ってきた日本馬。
2026年はアドマイヤテラとメイショウタバルが挑戦を予定しています。
日本競馬の長年の悲願がついに叶うのか、今年も注目して見守りたいですね。
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