2021年11月14日の福島競馬場で開催されたメインレースである福島記念(G3)。
その福島記念に広尾の出資馬パンサラッサ(牡4)が出走しました。
前走のオクトーバーS(L)では、大逃げでOP初勝利を挙げ、今回のレースぶりにも注目していましたが、前走と同じく大逃げで見事に優勝!
ミスペンバリー一族悲願の重賞制覇を達成してくれました。
それでは、レース結果とコメントを見ていきたいと思います。
パンサラッサのプロフィール
まずは、パンサラッサのプロフィールを改めて見ていきます。
- 生年月日 2017年3月1日
- 毛色 鹿毛
- 生産 新ひだか町
- 血統 父:ロードカナロア 母:ミスペンバリー(母父:Montjeu)
- 馬名由来 父名からの連想で“かつての地球に存在した唯一の海”
- 戦績 18戦4勝 主な勝ち鞍:21´福島記念(GⅢ)、21´オクトーバーS(L)
- 近親馬 ディメンシオン、エタンダール
- 調教師 矢作芳人(栗東)
デビュー3戦目で初勝利を挙げますが、この時は不良馬場の中、一頭だけ脚色が全く違い、後続を2.5秒も突き放すというレースぶりでした。
その後も、ラジオNIKKEI賞(G3)やOP競争での2着はありましたが、なかなか重賞制覇までは手が届きません。
しかし、前走のオクトーバーS(L)で休み明けながら、大逃げでOP初勝利を挙げると、今回の福島記念でも逃げて優勝!
ハイペースで逃げながらも持ち味のしぶとさを見せ、見事に重賞初制覇を達成してくれました。
さらに、この勝利で、父のロードカナロアに産駒のJRA全10場制覇というプレゼントまで!
パンサラッサのレースぶり
今回のレースを振り返ってみます。
好スタートを決めると、そのまま先頭を譲ることなく、後続を引き連れて逃げます。
コントラチェック、ディアンドルがそれぞれ2番手、3番手を追走し、さらに同厩舎のステイフーリッシュが続きます。
その後ろとは既に10馬身ほど離れ、かなりの縦長のレース。
3コーナーでコントラチェックが差を詰めてきますが、パンサラッサは先頭を譲らず、そのまま4コーナーへ。
直線に入ると、2番手にいたコントラチェックは失速、後続とはまだ5馬身以上離れていました。
残り100mでもパンサラッサと後続との差は5馬身弱。
結局、2着馬のヒュミドールに4馬身の差を付けゴール板を駆け抜けてくれました。
前半33.5秒、1000m通過も57.3秒とハイペースで飛ばし、かつて大逃げで場内を沸かせていた逃げ馬ツインターボの57.4秒を上回るペースだったそうで、令和のツインターボの誕生とTweetされていましたね!
福島記念の前半1000m、速報値は57.3。これは同条件では2位タイの速いペース。93年七夕賞を勝ったツインターボは前半1000m57.4で通過。令和のツインターボが現れました。#競馬 #keiba #パンサラッサ #ツインターボ https://t.co/QdsNBnaNYW
— 競馬ラボ (@keibalab) November 14, 2021
パンサラッサ陣営のコメント
陣営のコメントを見ていきます。
菱田騎手のコメント
馬の具合がすごく良かったです。1頭行きたそうな馬がいましたので抑えようかとも思いましたが、『気分良く行かせて』の指示でしたし、なにより馬自身が気持ち良さそうにグイグイ行き始めましたので、もうこれは逆らわずに本馬に任せようと。ハイペースなのは分かっていましたが、馬の気持ちを優先しました。勝負所も後ろを待たずに積極的に行き、直線で追い出してからも反応してくれましたからね。重賞を勝てて良かったです
鞍上の菱田騎手は、2月の小倉競馬の関門橋S(OP)の時に、パンサラッサに一度乗っているんですよね。
その時は逃げではなく、先行して2着という結果でした。
一度乗っているからこそ馬の状態の良さも感じてくれて、陣営の指示と馬の気分に任せて思い切って逃げられたのでしょうね。
やはり、馬と騎手との相性の良さもありますよね。
今後も乗ってもらいたいと思えるレースぶりでした!
矢作調教師のコメント
前半の1000mが57秒3。さすがにあのペースで最後まで残れるのだろうかとも思いましたが、結果的にはジョッキーがうまく乗ってくれましたよね。この馬本来の能力を発揮することができたと思います
矢作調教師は、さすがにハイペースで飛ばす姿を見て、最後まで残れるか不安だったようですが、「ジョッキーが上手く乗ってくれた」と仰っていて、パンサラッサ本来の能力を発揮できたことに嬉しそうでしたね!
先週のキングエルメスに続く重賞制覇は本当に素晴らしく、厩舎力を改めて見せつけられた感じがします。
【追記】
次走については、メディアの取材に対し、
距離がどうかだが、馬場が悪くなる可能性もあるので有馬記念(12月26日=中山芝内2500メートル)も考えています
出典:東スポ競馬
なんと有馬記念(G1)への参戦も考えているとか。
確かに、距離がどうかはありますが、あの大逃げで、見る人をワクワクさせてくれるような走りをまた見てみたいですね!
クラブのコメント
前半から気分良く、結構なラップを刻んで行く形となりましたが、最後までセーフティーリードを保ったままでの“圧逃”。前走からの2連勝で見事、重賞ウイナーの仲間入りを果たしてくれました。なお、このあとは、「上がりの様子を見ながら、いったん放牧を挟むかどうかを検討」(厩舎陣営)する予定。成長が進み、自身のレースのカタチを築きつつある今、さらに上のステージを目指して挑戦を続けていきたいと思います
クラブのコメントを見ると、厩舎陣営は「放牧」か「続戦」かの判断をするようですが、2戦とも大逃げしたあとなので、一旦短期でもリフレッシュさせても良いかもしれません。
次走はどこを狙うのかも注目ですね。
まとめ
今回は、パンサラッサの福島記念の結果と陣営のコメントを見てきました。
前走のオクトーバーSから2連勝で、ミスペンバリー一族悲願となる重賞初制覇となった訳ですが、兄エタンダール、姉ディメンシオンはどちらも重賞では2着が最高位。
それを超えたパンサラッサは、今後さらに上を目指すことになります。
G1の舞台でも、パンサラッサらしい走りで見る人を魅了してくれることを願っています!
※出資馬画像、コメントはクラブホームページ(広尾サラブレッド倶楽部)より許可をいただき掲載しています。